コウノトリが但馬の自然の中でちゃんとえさをとって暮らしていけるよう、田んぼに水をはったり、農薬を控えるなどして田んぼに生き物をたくさん育てながらお米作りをしていく、「コウノトリ育む農法」。その方法でお米作りをしているグループが、「JAたじまコウノトリ育むお米生産部会」といいます。現在、189名で約200ヘクタールを栽培しています。
1月27日には、部会員、普及センター・JA職員ら約100名が出席して、豊岡営農生活センターで初の生産者大会を開き、環境にやさしい安全・安心なコウノトリ育むお米を使命感をもって栽培していくことを申し合わせました。
生産者大会では、はじめに、畷悦喜部会長が、「今日の事例発表や講演を通して、米の品質向上と販路拡大に向けて、部会員が一丸となって努力し、よりブランド力をつけよう」と挨拶。
次に、今年度のお米作りを振り返っての講演や生産者の発表がありました。
生産者の事例発表では、「コウノトリと共生する緑風の郷」と題して、朝来市山東町三保の岡林史郎さんが発表。平成8年からあいがも農法に取り組み、19年からコウノトリ育む農法を始めた岡林さんは、「今後は栽培技術の確立につとめ、地元の理解を得ながら生き物の豊かな水田環境づくりをめざしたい。早くこの地にもコウノトリに舞い降りてもらいたい」と話していました。
豊岡市森津の成田市雄さんは、「地元で最初は2人から始めたが、21年は19件、12.1ヘクタールにまで拡大した。今後もしっかりした苗、地力を上げる、生き物を増やす、地元の理解を得る、草が生えても目をつぶるの5つをポイントに、無農薬栽培に取り組みたい」と発表していました。
また、兵庫県農林水産技術総合センターの須藤健一主任研究員による、「コウノトリ育むお米の支援技術の開発」についての講演がありました。
最後に情報提供として、米穀課職員の堀田和則が米の販売について、豊岡農業改良普及センターの池口直隆普及主査が栽培技術向上にかかわる調査結果を報告しました。