JAたじまはおかげ様で広域合併20周年

合併から20年 太田垣 哲男組合長 × 職員 JAたじまの未来を語る 合併から20年 太田垣 哲男組合長 × 職員 JAたじまの未来を語る 合併した年に入組し、組合員とともに歩んできた5人の職員。この20年間に感じたJAたじまの変化や課題について、太田垣組合長と語ります。これから私たちが目指すべき姿は―。

合併した年に入組し、組合員とともに歩んできた5人の職員。この20年間に感じたJAたじまの変化や課題について、太田垣組合長と語ります。これから私たちが目指すべき姿は―。
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入組して20年、それぞれの思い出を語る

代表理事組合長 太田垣 哲男の写真
“元気なJAたじま”に
期待してもらいたい。
代表理事組合長 太田垣 哲男
太田垣

合併から20年、それぞれ一番印象に残っていることからお話しいただきましょうか。

稲葉

はい。合併20年ということは、入組20年経ったんだなと感慨深いです。県外から来て、右も左も分からず営農に携わり、組合員や先輩職員に育てていただきました。最初に勤務した地域の皆さんとのお付き合いは今も続いている宝物です。丹波黒大豆や岩津ねぎといった特産品の振興に関わったことも印象深いです。

飯野

私は、農協に入ってすぐに生産者部会を担当したことです。当時は葉タバコの部会があったのですが、その葉っぱを見たこともない農業の初心者でした。キャベツの栽培についても分からないことだらけで、先輩や生産者の皆さんに教わりながら苗づくりなどに取り組みました。怒られたり、感謝されたり…。当時の部会の皆さんのことは忘れられません。

吉井

あっという間の20年でした。仕事を始めたばかりの頃、融資専任担当になり、目標を達成できず円形脱毛症になったことも、今ではいい思い出です。つらい思いをした分、諦めずにがんばる精神力や、乗り切るために工夫する知恵を養うことができました。後輩が壁にぶち当たっているのを見たら、こうした体験を話して、励ますようにしています。

伊藤

私は、平成30年に全国窓口担当者の交流会に参加したことです。印象評論家の重太みゆきさんの講演があり、接客における第一印象の重要性について学びました。笑顔の大切さを改めて知り、今も実践を心がけています。また、全国の窓口担当者と、職場の課題について意見交換したことも良い経験になりました。

木谷

平成16年、台風23号の水害に遭ったことです。当時、豊岡北支店に勤務していましたが、支店も事務所も、自宅も水没。日中は事務所の清掃と自動車や建物共済の請求に走り回り、夜は自宅の清掃、土日は旧本店にこもっての査定業務で、4カ月ほど休みはなく、心身ともボロボロになりました。でも、一生懸命がんばったおかげで、組合員さんから「JA共済に入っていてよかった」「よく勧めてくれた」「共済ってすごいな」と感謝されました。また、「木谷君に任せたら間違いない」と他の組合員を紹介してもらえるようになりました。入組4年目にして、共済事業の意義にも気づかされました。

時とともに、変化した人や地域

営農生産部特産課課長 稲葉 博通の写真
この地域で採れたものを
しっかり発信していきたい。
営農生産部特産課課長 稲葉 博通
太田垣

それぞれの20年間があったんですね。では、その20年間で、変わったことは何でしょう?

稲葉

10年ほど前に、日高町に家を構えました。誘われるまま地元の消防団に入ったんですが、地域の行事に参加するきっかけになり、顔なじみも増えて、それが仕事にも良い影響を与えています。

太田垣

職員の皆さんには、前々から地域で認められる人になってほしいと言ってきました。すごくいいことだし、うれしいです。

飯野

但馬地域では、JA以外に生産資材を扱う店舗が増えました。かつては組合員の購買はJA中心でしたが、ネットショップも手軽になったことで選択肢が増えています。JAならではのメリットや付加価値をPRしていく必要性を感じています。

伊藤

信用事業でも、インターネットが活用されるようになり、ネットバンクやネットローンなど、非対面でのサービスが増えました。来店が不要なため、忙しい方を中心に大変重宝されています。

吉井

私は、働き方に変化を感じています。かつて月末は貯金集めなどで忙しく、職員は夜遅くまで働いていましたが、近年は早く帰れています。JAたじま全体が効率よく、計画的に動いているのだと思います。職場の雰囲気もとても良いです。

太田垣

なるほど。経営者側も職場の環境改善には力を入れています。職員の健康やゆとりは、良い仕事につながります。

吉井

そしてやはり、新型コロナウイルスの影響は大きいです。以前のような気軽な訪問はできない一方、アポ取りをすることで、時間を確保して、話をじっくり聞いていただけるなど、新たな発見もありました。

木谷

私は大人になりました(笑)。組合員の皆さんや上司など、たくさんの方に厳しくしてもらったから今の自分がある。言葉遣い、マナーなど、怒られてばかりだった自分が、いつの間にか部下を指導するようになっています。愛情を持って叱る一方で、部下が困っている時は黙って手を差し伸べるなど、自分なりに良い人間関係を築く努力をしているつもりです。

豊岡北支店窓口係長 伊藤 紫の写真
組合員の安心を支える、
幅広い知識や情報を提供していきたい。
豊岡北支店窓口係長 伊藤 紫

次の世代につなぎたい、JAたじまには強みがある

太田垣

ここでJAたじまの強みについて語ってもらいましょう。次の世代につなぎたいものはなんですか?

飯野

おいしい米、ピーマン、ネギ、小豆、梨などの特産品です。コウノトリや但馬牛など歴史やストーリー性のあるものもアピールポイントです。これだけそろう地域は、他になかなかないのではないでしょうか。

稲葉

但馬の農産物は、全国で高く評価されています。生産者の継続的な努力の結果です。子どもたちには、但馬出身であることを誇りに思ってほしいです。

太田垣

確かに、この地域一円に誇れる特産品があり、JAたじまにはそれらを一体化して発信できる組織力があります。環境に配慮した農業と、但馬ならではの特長ある品目のブランド化を基本として営農振興を進めております。なかでも、コウノトリ育むお米の取り組みは数々の賞を受賞するなど対外的にも高い評価を頂くまでに成長してきていますね。

伊藤

はい。JAの強みは総合事業性にあり、信用や共済事業でも、組合員の皆さんにメリットを感じていただいています。こども共済、自動車共済、マイカーローンなど、ご家族のライフサイクルに応じた商品やサービスの提案が可能です。地域の皆さん一人ひとりと末永くお付き合いできます。

吉井

地域での知名度も強みです。皆さんが「農協さん」と呼んで気軽に接してくれます。この良い関係を次の世代にもつなぎたいです。

木谷

同感です。他社にも魅力的な競合商品があるにもかかわらず、「農協さんだから」といって利用してくれる人がいます。それこそが、JAたじまの強みです。後輩には、積極的に地域行事に参加し、仕事以外でも地域や人とつながりを持つことを勧めています。

温泉営農生活センター 飯野 友裕の写真
若い世代にJAを利用してもらえるよう、
栽培指導や経営指導も積極的に。
温泉営農生活センター 飯野 友裕

組合員と向き合う中で感じる課題とは…

太田垣

では、JAたじまは、組合員から、何を求められているのでしょうか?

稲葉

農業振興だと思います。また、何でも相談できる、身近な存在としても必要としていただいています。

飯野

今は、出荷先の選択肢が増え、JAを頼らずとも仲間を作ったり、苗が手に入ったりしやすい時代です。世代交代が進む中、若い世代にJAをどう利用してもらうかが課題です。JAが選ばれるには、組合員の所得増加や農業の継続につながる、より専門的な栽培指導や経営支援が必要ではないでしょうか。

伊藤

私も、専門知識を持った職員の育成と、高齢者と次世代の両方に信頼される組織運営の重要性を感じています。IT技術を商品やサービスに取り入れ、組合員のニーズに合った商品・仕組みの開発、利便性の向上を追求していくことが大切です。

豊岡北支店推進次長 木谷 和喜の写真
地域に根差した取り組みのなかで
感動を積み重ね、次世代につなげたい。
豊岡北支店推進次長 木谷 和喜
吉井

私は、正組合員と准組合員をつなげる取り組みが必要だと考えます。ローンなどを希望される方に、新規で組合員になっていただくことがありますが、JA最大のメリットである総合事業性をご理解いただくまでにはなかなか至らないからです。ファーマーズマーケット「たじまんま」のような生活に身近な事業をきっかけに、総合事業のメリットを多くの人に享受していただきたいです。

太田垣

そうですね。その取り組みの一つが利用高配当です。JAたじまでは、正組合員、准組合員に関わらず、利用していただいた方により多く還元する方針をとり、好評を得ています。

木谷

他にも、JAにしかできない事業を模索できないでしょうか。営利追求だけではない、地域に根差した取り組みこそが、私たちの存在価値だと思います。

太田垣

そうですね。地域から求められる組織を目指さないといけない。その一環として、令和3年度の事業計画にフードバンク事業を盛り込みました。ファーマーズマーケット「たじまんま」の一画に、生産者が寄付したい野菜などを並べて、必要な人が持ち帰れるスペースを設ける予定です。また、JAたじまは、規模の大小に関係なく、担い手を手厚く支援したいと考えています。

金融共済部ローン推進課課長 吉井 正和の写真
正組合員と准組合員を
つなげる取り組みが必要。
金融共済部ローン推進課課長 吉井 正和

語りつくせない熱い思いがある!未来のJAたじま

太田垣

最後に、未来のJAたじまがあるべき姿を、どう考えていますか?

稲葉

農業を守るために、この地域で採れたものをしっかり発信していくことが大切です。時代のニーズをつかみ、農家の皆さんに伝えて、儲かる農業を続けてもらうよう働きかけていきたいです。また、農家や組合員が、気軽に利用できる情報交換の場であるべきだと考えます。

飯野

私も、但馬のブランド力を伝承するためのお手伝いがしたいです。「農協があって良かったな」と言ってもらえるように、がんばりたいです。

伊藤

組合員の安心を支えられるJAたじまであれたらいいなあと思います。そのために、ライフイベントに合わせたセミナーや相談会を開催し、幅広い知識や情報を提供していきたいです。

吉井

期待や要望は組合員ごとに違います。その一つひとつに対して、職員一人ひとりができることを全うしていれば、必要としていただけるようになるのではないでしょうか。

木谷

そう思います。JAたじまは、合併により、管内では最大級の組織になりました。この規模が大きいという優位性をもっと生かせると思うんです。地域のつながりの中で、職員一人ひとりが小さな感動を積み重ねることで、次の世代にも必要としていただけるはず。もし、その感動が都会に住んでいる組合員のお子さんに伝われば、将来帰ってきた時に農業を始めようという気持ちになるかもしれません。JAとお付き合いするきっかけにもなるでしょう。

太田垣

そうですね。私は毎年、新入職員に「いい職場を選びましたね」と話しています。人の生活に関わる仕事は、人を幸せにできます。地域で必要とされる喜びがあります。また、但馬には、「コウノトリ育むお米」や「但馬牛」といった世界に自慢できる特産品があります。但馬で生まれたコウノトリが各地で巣作りをし、その生息域を広げているように、但馬の特産物をもっと羽ばたかせたい。農協の歩みの中で、そしてこれからも、組合員の皆さんの応援は必要不可欠です。その先の〝元気なJAたじま〟に期待していただけるよう、がんばりましょう。

JAたじま 広域合併20周年記念ロゴ JAたじま 広域合併20周年記念ロゴ
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