産地のさらなる発展を 「フクノハナ」契約栽培30周年
産地品種銘柄として全国唯一、豊岡市出石町で栽培される酒米「フクノハナ」。出石フクノハナ生産部会は11月17日、金沢市の酒造会社福光屋との契約栽培30周年を祝う記念式典を出石支店で開き、関係者が記念石碑を除幕し節目を飾りました。
支店の敷地内に建立した記念碑には井戸敏三兵庫県知事の筆による「酒米フクノハナの郷」の文字が刻まれています。除幕式では尾﨑組合長が「生産者の皆さんとともに、フクノハナの産地としてさらなる発展を目指したい」とあいさつ。吉田準一部会長や福光松太郎社長、尾﨑市朗JA組合長ら8人が除幕しました。
「フクノハナ」は昭和45年ごろ日本各地で栽培され、48年には出石町でも栽培が始まりました。その後麹にすることが困難なことなどから需要は減っていきました。栽培中止の危機に陥りましたが、フクノハナの酒造技術を確立していた同社に、生産者の生産を続けたいという熱い想いが届き、63年に契約栽培が始まりました。
式典には部会員、(株)福光屋、行政、JAの関係者ら約90人が出席。30年の歩みを振り返るとともに、酒米の郷として産地のさらなる発展を願いました。吉田部会長は、「これまで築いてきた信頼関係を維持できるよう、生産者一丸となってより高品質な酒米を生産したい」と決意を新たにしました。福光社長は、「フクノハナは我社の酒造りの主力品種の一つ。これからも産地との絆を大切にし、おいしい酒造りに励みたい」と話しました。
尾﨑組合長が福光社長に感謝状を贈り、福光社長がフクノハナでつくった記念酒を吉田部会長に手渡しました。このほか、部会女性部によるフクノハナの米粉を使った団子や焼き菓子などの紹介もありました。