地域の景観を守る 上佐野営農組合が発足

 豊岡市上佐野地区に土地を持つ農家29戸が11月26日、「上佐野営農組合」を立ち上げました。農業経営の改善を図り、地域の農地を守るとともに安心して住み続けられる活力ある集落をつくることが目的です。組合長には高木重信さん(写真)が就き、地域農業の発展に向けた決意を示しました。上佐野会館(豊岡市上佐野)で開いた設立総会には、地元農家ら組合員、JA職員や行政関係者ら約30人が出席しました。

 同地域では、約7.5haで水稲を生産しています。これまで地域農業を担っていた農家が高齢のため、今後の水稲栽培が困難となったことから、農会を中心に将来の地域農業の在り方や課題を検討。先進的な営農組合組織の視察や、集落での地域住民との対話などを通じて準備を進めてきました。

171126kamisano.jpg 新たに立ち上げた上佐野営農組合は、「守ろう! 豊かな農地・美しい景観」をスローガンに掲げ、農作業の共同化、農地の集積と農作物の生産販売、担い手の育成などに努めます。当面は集落の農地約6haで水稲栽培を中心に行い、米の販路の拡大や法人化に向けた研究などを進めます。

 JAたじま豊岡営農生活センターの土肥利幸センター長は、「TACや営農相談員が中心となり、情報の提供や可能な支援の提案などで集落の農業を支えていく」と話し、行政など関係機関と連携して組合を支えていく意思を示しました。

 高木組合長は、「高齢化、鳥獣害対策や米の生産調整の見直しなど、農業を取り巻く課題は多く、営農組合の設立は課題解決に向けた第一歩。組合員と地域住民が協力し、地域の美しい景観を守っていきたい」と意気込んでいました。