地域農業の発展へ農家ら先進事例学ぶ
養父市農業再生協議会と朝来市農業再生協議会は1月18日、「南但地域の集落の農業を考える研修会」をJAたじま総合営農センターで開きました。両市の各集落や営農組織の代表者、行政やJAたじま職員ら約150人が出席し、中山間地域における今後の地域農業の在り方を学びました。
過疎化や担い手の高齢化がすすむ両市では、耕作放棄地の増加などから地域農業だけでなく集落の維持も深刻な課題となっています。中山間地にあり、農地を集約した大規模な集落営農が困難であることから、先進地の事例などから地域農業を存続、活性化し守っていくための仕組みづくりを学び、管内の集落営農組織の経営の改善・向上や、人・農地プランの作成を進めることを目的に開催。養父市、朝来市、JAたじまと但馬県民局が共催しました。
広島県で自治会組織と連携して中山間地農業を活性化する農事組合法人ファーム・おだの吉弘昌昭顧問が、自治組織と営農組織の「2階建方式の集落営農」を紹介。
農家、非農家関係なく地域住民全員が参加する自治組織と、「住みよく楽しく明るい地域づくり」を掲げて経済活動を行う営農組織で、複合的で多角的な経営を行っていることなどを発表しました。
吉弘さんは、「5年後、10年後を見据え、不安をなくすために地域住民と何度も話し合うことが重要だ」と話しました。
また、養父市高柳広域水土里会の矢野尾清佑さんが、ひとつの集落だけでなく小学校区などを単位とした広域活動組織の効果などを紹介。参加者らは、自身の集落や営農組織の経営に生かそうと、熱心に話しを聞き、指導者の育成に必要なことなどを質問していました。
参加者のひとりは、「将来の地域農業を考えるきっかけになった。集落の全員が自らの地域の将来を考え、不安の解消や課題の解決に向けて行動できるよう、話し合いを進めていきたい」と話していました。