兵庫県梨研究大会 今後のナシ振興について情報、意見を交換

181031nasikennkyuu.jpg ナシの生産者や兵庫県、JAたじまなどで構成する兵庫県梨振興協議会は10月31日、ナシの生産技術の向上と経営の安定化に資することを目的に、第45回兵庫県梨研究大会を豊岡営農生活センターで開きました。生産者や行政、JA、県内の主要産地関係者など約100人が、今夏に本格出荷を迎えた早生品種の青ナシ「なしおとめ」の生育や販売について情報を共有し、今後の振興策について意見を交わしました。


 「なしおとめ」は、県が開発、育成した品種で、管内で栽培するナシの8割を占める主力品種「二十世紀」よりも果実が大きく糖度も高いのが特徴です。8月中旬から下旬にかけて出荷を迎えるため、盆需要への対応や、早生品種から「二十世紀」までの端境期を補うことができます。また、栽培する品種を分散させることで収穫作業の集中を緩和することもできるようになるため、販売者だけでなく生産者からも大きな期待が寄せられています。行政やJAの指導のもと、4年前から新植や接ぎ木で生産を始め、今季は約1㌧を京都八百一JR京都伊勢丹や地元の同JAファーマーズマーケットたじまんまなどに出荷しました。


 研究会では、県立農林水産技術総合センターの研究員が、「なしおとめ」の特徴として、熟度による食味の差が大きいことを説明。最も良い状態で売り場に並ぶよう流通時間を考慮した適期収穫用のカラーチャートを作成していることを報告しました。また、山田博香住営農生活センター長が、今季に対面販売を通じて得られた消費者の反応などを報告。生産者は大きさや見た目を重視するが、消費者は味を重視する人が多い傾向にあるとし、「なしおとめ」はアザが出やすい品種だが、販売面に大きな影響はなく、安心して生産に努めてもらうよう呼びかけました。
 香住果樹園芸組合の黒野昭博副組合長は、「消費者の求めるナシについて認識を改める必要があると感じた。ファンを増やすためにも、まずは食べてもらうことが重要。一層の振興に向けて今後も増産に努めていきたい」と話していました。