"10年後の豊岡の農業を守る礎"「豊岡市農業ビジョン」策定 持続可能で幸せを感じる社会実現へ
豊岡市は本年度、今後10年間の農業政策の指針となる「豊岡市農業ビジョン」を策定しました。このビジョンでは、今後の豊岡の農業を「豊岡グッドローカル農業」と表現し、2020年から2029年までの10年間、持続可能で幸せを感じる社会実現の貢献を目指します。検討にあたって設置された委員会には、認定農業者や有識者、豊岡農業改良普及センター、JAたじまなど関係者13人が委員として参加。委員に同JAの組合員5人が選出され、そのうち平峰英子さんが副委員長を務めました。策定にむけて活発な意見交換が行われました。
豊岡市の農業の現状認識について、担い手の減少や後継者不足、高齢化などさまざまな問題を抱えている一方、コウノトリ育む農法に代表される環境創造型農業など、世界に誇れる取り組みが行われており、さまざまな魅力を持ち合わせています。それを確認した上で、世界的なSDGsへの関心の高まりなども踏まえ、これからの豊岡の農業の持続性をさらに強化し、地域の特色ある取り組みを推進することとしています。
このビジョンで示している「豊岡グッドローカル農業」は、行政が基準を決めてそれを農業者が遵守するものではなく、豊岡の農業に関わる人たちだけでなく、消費者なども含めた皆で作り上げていくことを大きな特徴としています。「豊岡グッドローカル農業」は『環境』『経済』『社会』の3項目を細分化し、「自然との共生」や「地域の多様性」など12の目標を立てています。目標達成に向けた取組方策を示し、具体的なモデルを参考に、各関係機関や農業者がそれぞれの役割を果たすだけでなく、消費者や農業に関心がある方も参加することによって、ビジョンの実現を目指します。
平峰さんは「地域のためになり、楽しいことであることをアピールすることが重要。みんなで助け合うことによって経済が回り、いい循環になれば」と期待を込めています。豊岡市では、今後は豊岡市農業ビジョン推進委員会を立ち上げ、「豊岡グッドローカル農業」を積極的に周知や推進を図ります。