全国唯一の栽培 酒米「フクノハナ」の原原種刈り取り

IMG_5263.JPG 出石フクノハナ生産部会は8月20日から豊岡市出石町奥小野で、酒造好適米「フクノハナ」の稲刈りを始めました。それに合わせて同部会の種子生産グループは23日、フクノハナの種籾採取ほ場で、一般種子に加え、種子のもととなる原種、原原種の刈り取りを行いました。原種、原原種の刈り取りは45年毎となっています。

 フクノハナは1959年から育成が始まり、最盛期には全国で1,200ヘクタールを超える作付けがありましたが、現在は同部会が産地銘柄として333ヘクタールで全国で唯一栽培しています。今年度の種籾採取圃場では一般種子、原種、原原種を4圃場452アールで栽培し、原原種はその内の112アールで採取しました。今年は猛暑日が続きましたが作柄は良好です。

 出石町では91年から行政や同JAと一体となって、原原種栽培を含む採取事業が行われてきました。原原種の栽培は毎年厳しい審査があり、異種混合回避のため隔離された圃場指定となり、徹底的な苗の管理や草刈りが必要となります。原原種は専用の機械を使っての刈り取りが必須で、その後稲木にかけて自然乾燥をする古来の手法となります。

 同グループリーダーの加藤勉さんは「日本酒の需要が減少しているが、もっと消費してもらいたい。30年以上も出石町で守り継いできたものを途絶えさせないよう今後も生産者で協力し合っていきたい」と話しました。フクノハナを使った日本酒は、優しい口当たりと豊かなこくが特徴です。