梨「二十世紀」 ふるさと納税好調 寄付額は昨年の約7倍 JA香住果樹園芸組合
JAたじま管内の兵庫県美方郡香美町が運営するふるさと納税が好調です。今年度、JA香住果樹園芸組合が出荷する梨「二十世紀」の寄付額は、約2,900万円(9月12日現在)で、前年度(2022年4月~23年3月)の約7倍を記録。出荷は9月中旬まで続くことから、寄付額はさらに増える見込みです。同町が行った広告のほか、消費者のニーズに合わせて返礼品の規格を増やしたことなどが奏功しました。JAや同町はふるさと納税を通じて、梨の消費拡大や、農家所得の増大につなげています。
同組合は、同町香住区の40戸の生産者が梨「二十世紀」を生産。今年は、最高規格「特秀」が多く、高品質な梨に仕上がっています。昨年度並みの100tの出荷を予定しています。
同町では令和4年度、ふるさと納税推進室を設置。人員を2人から4人に増やし、香美町のふるさと納税返礼品のPRに努めています。同室設置前の令和3年度の寄付額は約4億8,000万円でしたが、設置後の令和4年度は約8億9,000万円でほぼ倍増。同町によると令和5年度は、過去最高の12億円を目標としています。
梨の注文数増加を後押ししたのは、返礼品の規格の多さです。令和4年度は4kg箱のみの1規格でしたが、令和5年度からは5kg箱に大玉(10~14玉)や小玉(16~20玉)のほか、傷の入ったものは『訳あり梨』としてなど、贈答用から家庭用まで扱える6規格を用意しました。
同町役場の観光商工課ふるさと納税推進室の北村浩史室長(右)は「香美町の梨は、ふるさと納税で香住ガニに次いで人気のある特産品。注文数が多く、梨が完売しそうで心配だ。梨を通じて香美町をPRしたい」と、うれしい悲鳴を上げています。
同組合の事務局を担当するJA香住営農生活センターの西川信明次長(左)は「より単価の高いふるさと納税への出荷割合を増やしたことで、農家の所得増大に期待できる。JAとして、最善の手法を選択したい」と展望しています。