梨栽培学ぶ「香住なしの学校」1期生卒業 梨農家へ羽ばたけ
兵庫県香美町やJAたじまの香住果樹園芸組合などで構成する協議会が運営している、梨の栽培方法を学ぶ「香住なしの学校」の1期生が今年3月に卒業を迎え、新たに梨農家が誕生します。卒業生の屋麻戸寛典さん(写真右)は「農家数・栽培面積が減少傾向にある現状を打破し、かつての最盛期に戻せるよう産地を盛り上げたい」と意欲を見せます。
同町は梨「二十世紀」の県内最大産地です。しかし、農家の高齢化などで人手不足が深刻化しています。昭和45年には280戸が約120haを栽培していましたが、現在は37戸で約12haまで減少。後継者を育成して梨産地を守るため、香美町新規就農者育成・定着推進協議会が発足し、令和5年4月に「香住なしの学校」を開校しました。
「香住なしの学校」は2年間、梨「二十世紀」の摘蕾(てきらい)や摘果、病害虫駆除、収穫、施肥、剪定(せんてい)など栽培から経営管理まで一から身に付けます。2年間で屋麻戸さんは梨「二十世紀」や「新興」など2tをJAに出荷しました。
3月21日に香美町役場で開いた式典では、卒業証書と記念品の剪定ばさみが贈られました。講師を務めた黒野幹彦さんは「研修を通じて基本的な栽培技術は身についたと思う。学校を卒業して終わりではなく、今後も指導に携わりたい」と話しました。
同校では現在、2期生として宮川司さんが研修中で、令和7年度中に3期生の募集開始を目指しています。