特別栽培米コシヒカリ「ふるさと但馬米」 15周年式典で生産拡大誓う

ふるさと但馬米.jpg 今年で、JAたじま最大規模のブランド米「ふるさと但馬米」の栽培開始15周年を迎え、JAたじまのふるさと但馬米振興会は12月19日、コウノトリ但馬空港の多目的ホール(豊岡市)で記念式典を開きました。年々需要が高まっている同米のさらなる生産拡大を誓いました。
 「ふるさと但馬米」は、慣行と比べて減農薬・減化学肥料で栽培する特別栽培米「コシヒカリ」です。平成21年に、同JAの生産者組織「ふるさと但馬米振興会」が発足し、翌年から栽培が始まりました。同振興会の構成員として、JAや生産者のほか、流通を担う業者やJA全農なども加わっているのが、生産者組織として珍しい特徴の一つです。米を安定的に販売して農家の手取り確保を目指し、生産から流通まで一体となった取り組みを進めてきました。
 安全・安心な農産物を求める消費者が増える昨今、特別栽培米の需要が高まる中で、同振興会の課題は、生産者数の減少です。栽培開始初年度は1,544人が栽培していましたが、令和6年度は798人に減少しました。併せて生産量も初年度の約2,500tから6割程度に減っています。
 この課題を解決するために、「取り組みやすい特別栽培米」として肥料の変更を行っています。平成25年産から、基肥一発肥料の「ふるさと但馬号」を部会として推奨してきました。近年の高温の影響により肥料の溶出が早まっていることから登熟期間中に窒素不足となり、白未熟粒が多く発生し、品質低下の原因となっていました。令和5年産からは、肥料成分が登熟期にも溶出し、高温時の追肥散布作業を省力化できる「有機入りJコート256」を使用することに決めました。
 記念式典には、生産者やJA役職員、関係者ら約200人が参加しました。同振興会の江尻繁会長は「高温などで厳しい栽培環境が続くが、消費者の求める安全・安心なお米を生産し、生産拡大を目指そう」と力強く誓いました。このほか、同米の15年間の取り組みや今後について講演しました。特別ゲストとして、吉本興業に所属するお笑い芸人「男性ブランコ」が出演し、会場を盛り上げました。
 記念式典では、同米を栽培開始年度から今年度まで15年間毎年出荷し、かつ平均250袋(1袋30kg)出荷している生産者を功労者として、同米の品質や食味などで審査した食味コンテストの上位入賞者を表彰しました。


 表彰者は次のとおり。


功労者表彰=谷口政実さん、河本嘉一さん、佐伯徹治さん、土肥英喜さん、北村利晴さん、武縄弘和さん、高品定さん、原本龍喜さん、中瀬英人さん、笠垣佳那さん、松岡勇作さん、田川義博さん


ふるさと但馬米食味コンテスト2024 

金賞=坂本博行さん

銀賞=岡田喜良さん、谷口忠士さん、安保衛さん、今井秀樹さん、福丸勉さん、山根勝さん、谷口定男さん、福冨憲二さん、藤本久行さん、小西康之さん、山田秀司さん、西村達弥さん、福井昭一さん、新免和史さん、佐藤清四郎さん、吉岡一全さん、笹山義仁さん、濵清己さん、中田秀男さん

特別賞=加藤勉さん、大海毅さん、野村勉さん