畔や畦畔に酢散布で抑草効果 草刈りの省力化で面積拡大も期待
水田を囲む畔や畦畔(けいはん)に酢を散布すると、草刈りの省力化につながるとして、兵庫県豊岡市の水稲農家が実証実験を行っています。スギナやギシギシなどの雑草の生育が抑えられ、除草回数を減らせることなどが期待できるほか、草刈り作業の省力化で面積拡大も見込めます。
取り組んでいる農家は、堀名敏昭さん。人と環境にやさしいコウノトリ育む農法で、大豆や米を約10haで栽培しています。同農法では除草剤を使用できないため、草刈りは農作業の中でも特に時間と労力を費やします。堀名さんは「手刈りには限界がある。面積を拡大したくてもできないのが現状だ」と悩んでいました。
こうした問題を解決するため、豊岡市内の数軒の水稲農家が、栽培期間中に酢防除を取り入れています。昨年は、出穂前の水稲圃場(ほじょう)に希釈した醸造酢を散布し、抑草効果が見られました。今回の取り組みもその一つです。
今回は、醸造酢の原液を使用しました。水張り前の4月中旬に、約10aの畦畔に20Lの酢をドローンで散布しました。畔には、動力散布機を使い、ドローン散布との効果の違いを試します。堀名さんは「ドローンで散布できれば、作業を外部委託することで、さらに省力化につながる。年4回していた草刈りが、2回に減らせられることを期待している」と話しました。