学校給食で全量有機栽培米へ 取り組み加速 コウノトリ育むお米

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 学校給食で使用する米を全量有機栽培米に転換しようと、兵庫県豊岡市や地元のJAたじま、生産者が協力し、取り組みを加速させています。取り組み初年度となる昨年度は1カ月のみの提供でしたが、今年度は3学期中の約3カ月間に期間を拡大。3年後にあたる令和9年4月に、現行の減農薬米からの全面転換を見据え、各関係機関らは取り組み農家数の増加や栽培面積拡大を目指し、安定供給できるよう体制を整えます。

 学校給食に使うのは、JAのブランド米「コウノトリ育むお米」。JAコウノトリ育むお米生産部会の生産者が栽培した同米の全量をJAが集荷します。農薬の使用を削減するなど環境に配慮し、コウノトリの野生復帰を支えた「コウノトリ育む農法」で栽培するのが特徴です。

 令和4年産から学校給食用に多収で良食味の「つきあかり」(無農薬タイプ)を栽培し始めました。今年度はこの活動に賛同した10戸が協力。約29tが収穫でき、市内の公立小・中学校32校で約6,700人分の給食約3カ月分を提供します。全面転換には90t必要で、JAや市は計画的に生産者や栽培面積を増やす予定です。

 1月10日から、提供がスタート。1月11日には生産者の一人である瀬尾雅仁さんや関係者らが、豊岡市立小坂小学校5年生16人と一緒に給食を味わいました。瀬尾さんは今年度、給食用のほ場に同学校同学年の児童を招いて、田植えや生き物調査、収穫などの体験授業を行っています。瀬尾さんは「子どもたちと一緒においしいご飯が食べられてうれしく思う。体験を通じて、無農薬栽培の大変さや生き物保全についても学んで欲しい」と話しました。