除草作業の受委託事業始動 無農薬栽培米を推進 コウノトリ育むお米生産部会
JAたじまのコウノトリ育むお米生産部会は今年度、無農薬栽培米の生産規模拡大を目指すため、除草作業の受委託事業を始めました。除草機の導入コスト削減に加え、手間のかかる除草作業を外部に委託することで、生産者が無農薬米の栽培米に取り組みやすい環境を整えています。
同米は、農薬の使用を制限するなど環境に配慮し、コウノトリの野生復帰を支える「コウノトリ育む農法」で栽培。農薬の使用量に応じて、減農薬タイプや無農薬タイプ、有機JASに分かれます。
同部会では特に需要の高い無農薬タイプの生産拡大を目標に掲げていますが、全体の生産者258件の2024年産米出荷契約数量に対し約31%にとどまっています。減農薬タイプは約60%と高い水準で、減農薬栽培から無農薬栽培へ移行できるかが、無農薬タイプの生産拡大の鍵となります。
無農薬栽培の普及で、壁となるのが除草作業です。過去に行った生産者アンケートで、無農薬栽培の面積拡大に向けて、除草機の導入を求める声がもっとも多く挙げられていました。これらを背景に、同部会で除草機受委託事業を始めました。
同事業では、JAが除草機を購入し、オペレーターを外部企業に委託します。作業面積に応じてJAが利用者に料金を請求する仕組みです。除草作業は生育に合わせて、田植え後10日ごとに2回程度を実施します。
今年度は試験的に、学校給食用で多収性の高い品種「つきあかり」を栽培する6件が同事業を活用しました。
田鶴野農事組合法人(豊岡市)では今年度、無農薬で1.3haで栽培しています。その内、63aが学校給食用です。同組合の村田憲夫組合長は「面積を拡大すればするほど、除草作業と田植えの時期が被って大変。この事業を活用し、今後も無農薬栽培の面積拡大につなげたい」と話しました。