学給用有機栽培米 25年産出荷予定は前年実績対比2倍超え 栽培向け講習会開く

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 JAたじまや豊岡市は、令和9年度に市内の小・中学校の学校給食で提供される米を全量、有機栽培米に切り替えようと、取り組みを進めています。切り替えには令和8年産で85tの出荷が必要で、目標年度の前年にあたる令和7年産の出荷契約数量は、令和6年産出荷実績対比231%82tでしたJAによる農作業受委託事業や豊岡市からの補助金が後押しし、生産者数や面積が大きく伸びました。安定供給に向けて環境が整いつつあります。

 学校給食に使用するのは、環境や生物多様性に配慮して栽培するJAのブランド米「コウノトリ育むお米」。農薬の使用量に応じ、①減農薬タイプ②無農薬タイプ③有機JAS――に分かれています。品種は主にコシヒカリですが、学校給食用には、良食味で有機栽培でも収量を確保できる「つきあかり」を栽培しています。

 契約数量必達に向けて、同米を栽培するコウノトリ育むお米生産部会は3月14日、JA豊岡営農生活センターで、令和7年産に向けた栽培講習会を開きました。学校給食用米の栽培予定者やJA職員、関係機関ら約30人が参加し、つきあかりの栽培方法を学びました。10a当たりの収量420kg以上を目指すことを確認しました。

 講習会ではこのほか、JAが令和6年産から取り組みを始めた除草作業の受委託事業を紹介し、市は10a当たり2万円の補助金を支給することを説明。今後もJAや同市などが協力して、栽培に取り組みやすい体制を構築します。

 令和7年産から栽培に取り組む河谷営農組合の川越雄一組合長は「私たちの組合では、同米減農薬や無農薬などを栽培している。学校給食用は品種が『つきあかり』であるため、作期分散が見込めることに加え、市からの補助が手厚いことから、新しく栽培に取り入れることに決めた」と話しました。