収量増と省力化目指して潅水装置の設置を呼び掛け
ピーマン協議会では、高品質なたじまピーマンの安定的な出荷と作業の省力化を目指して、拍動潅水装置の積極的な導入を呼び掛けています。同協議会員のおよそ4人に1人が導入する同装置は、設置ほ場での1本当たりの収量が未設置のほ場より約3割多く、秀品率も高い傾向にあります。実際に装置を導入する生産者の意見を聞き、装置を普及して農業所得の向上につなげようと、同協議会は4月25日、装置の現地講習会を豊岡市但東町坂野のほ場で開きました。
拍動潅水装置は、太陽光を利用して日射量に応じた潅水を自動で行う仕組みです。ソーラーパネルと連動したモーターが、ポンプで水路から貯水タンクに揚水し、タンク内の水位が一定の量に達すると上限水位のセンサーが反応して電磁弁を開き、畝に設けたチューブで点滴潅水します。タンク内の水位が一定まで下がり下限水位のセンサーに反応すると、電磁弁を閉じて配水を止め、再び貯水します。天候などの条件によりますが、毎分10リットル程度の水を揚水し、10a強の潅水が可能です。貯水タンクに肥料を入れることで施肥もできるため、肥料散布の肉体的、時間的労力が省けます。
講習会には、協議会員、メーカー社員、JAや行政職員ら約30人が参加。メーカー社員、協議会役員やJA職員が、実際に装置を見ながら仕組みなどを説明しました。参加者らは、設置の効果や管理の注意点などの意見を交わしていました。
数年前に装置を導入した生産者は、「潅水と施肥が日射量に応じて自動で適切にでき、手間も省ける。一層の質の向上、収量の増と安定出荷を目指したい」と意気込んでいました。