労働力支援に一手 大学生がピーマン収穫作業のアルバイト 但東町野菜生産組合
JAたじまでは、JA特産の夏秋ピーマン「たじまピーマン」の産地拡大に向けて、収穫最盛期の労働力不足を課題の一つとしてとらえ、今年度に労働力支援の試験的な取り組みを実施しました。今回は、たじまピーマンの中心的な産地である但東町野菜生産組合が試験的に受け入れました。龍谷大学の大学生5人が同組合の数人の農家のもとで、たじまピーマンの収穫作業を手伝いました。JAでは今回のモデルを検証し、今後は支援事業として取り入れたい考えです。
同組合は、34人がピーマンを栽培。JA管内全体の出荷量の約半数を占め、令和元年度にはピーマン販売高が1億円突破するなど、豊岡市但東町はJA管内一の生産規模を誇ります。
一方で、令和2年以降は販売高1億円をやや下回っており、産地規模の維持・拡大には課題が残るのが現状です。そうした中で、同組合が昨年度行った生産者実態調査で、「収穫最盛期の労働力を必要とする」と回答したのは全体の60%に上りました。
この課題を解決しようと、関西圏の大学を通じて募集を始めました。8月22日から2泊3日、日中を避けた6~10時と15時~18時の間、ピーマンを収穫。同町内の公民館に宿泊します。JA全農兵庫が今年度行っている労働力を支援する補助事業を活用し、宿泊や食事、収穫作業に対する報酬等の費用を賄いました。
同組合の岡田優輝さん(写真・左)ら3農家が受け入れました。岡田さんは祖父から農地を引き継ぎ、今年から本格的に就農。初年度から、同組合で2番目に多い2500本を栽培し、多い日で1日400kgを収穫・出荷します。6時から10時まで作業員を含めた4人で収穫作業に当たりますが、圃場(ほじょう)では収穫遅れが原因の赤果が見られているそうです。岡田さんは参加者について「大学生の意欲が高く、農繁期に作業の人員が増えて、とても助かった。来年度からもこの事業を活用して、少しでも適期収穫・収量増加につながれば」と手応えをつかみます。
応募した大学生は「旅行感覚で友達と申し込んだが、今回のピーマン収穫がきっかけで農水産業に興味が出てきた。今後も同じような事業があれば、積極的に参加したい」と笑顔で話しました。