排水対策を機械で実演

2017.05.31

 和田山営農生活センターは5月31日、朝来市特産の「岩津ねぎ」の排水対策現地研修会を朝来市和田山町比治のほ場で開きました。生産者、JA職員、行政関係者やメーカー社員ら約40人が出席し、額縁明渠と弾丸暗渠を組み合わせた排水対策を学びました。

 JAたじま岩津ねぎ部会が生産する岩津ねぎは、乾燥には比較的強いですが過湿には弱いです。水はけの悪いほ場では、雨が続くなどしてほ場に水が溜まると、湿害の影響を受けて病気の原因や生育不良になりやすく、多くの部会員を悩ませています。同部会では排水溝の設置や、畝を長くしないなどでの対策を呼び掛けていますが、身体的な負担が大きく対策が十分でないほ場もあります。今回、少ない負担で岩津ねぎの品質と収量を高められるよう、試験的に機械を使った排水対策の現地研修会を開きました。

170531haisui.jpg 研修会では、メーカー社員とJA職員が機械を使って、実際に排水溝や排水路を設置。畦に沿ってほ場の内側に幅30cm、深さ25~30cmの排水溝を掘り、畝の地下になるよう、深さ約40cmに排水溝につながる水路を平行に設けました。また、水尻の排水口近くに集水穴を掘り、そこから放射線状に深さ約45~50cmの地下水路を設置。参加者らは、機械で排水対策を見ながら、栽培の効率化や収量性、機械の共同利用などへの意見を交わしていました。

 参加者の一人は、「岩津ねぎの栽培では、湿害への対策に最も気をつかう。効果が実証されれば、ぜひ自身のほ場でも取り入れたい」と話しました。

 JAの担当者は、「ほ場の水はけが良くなると、病害の危険を大幅に減らせる。さまざまな技術を検証し、品質や収量を高めることで農家所得の向上に貢献したい」と話していました。