優良種子の産地力強化へ 養父水稲種子センター竣工奉告祭
JAたじまが優良種子の産地力強化のために取り組む、養父水稲種子センターの処理能力増強工事が完了し、3月30日、同地で竣工奉告祭を開きました。種子生産者、行政関係者、JA全農兵庫、施工業者、JAたじま役職員ら約40人が出席。神事を行い新たな施設の完成を祝いました。
同JAでは平成28年度、「コシヒカリ」を中心に7品種約426tの水稲種子を生産。管内で生産する種子のうち、半分近い198tを同施設で乾燥調製しています。今回、水稲栽培で重要な役割を担う種子生産の高品質化と作業の効率化を目的に、施設の設備を更新し乾燥調製や精選処理などの能力を増強しました。
新たな施設は、50t貯留できる屋外式乾籾タンク2基、籾粗選機と色彩選別機を新たに導入。既存の精選設備も一新し、異物などの除去精度の向上に加え、これまで毎時2tだった精選処理の能力を毎時3tに高めました。履歴管理システムで荷受けから出荷までの作業工程を管理でき、作業が一層効率化します。処理量は生籾で578t。1日当たりの荷受量は平均26tで、最大32.5tまで対応可能です。対象面積は養父市と香美町の一部の合計81haですが、より高品質な種子生産と、現在稼働している美方郡水稲種子センターとの精選処理能力の均一化、効率化などを目的に、今後は管内全域の種子を養父水稲種子センターで処理する予定です。29年産米の荷受は9月9日から10月11日までの約1カ月間を予定しています。
尾﨑市朗組合長は、「乾燥、精選処理の能力が高まり、より高品質な水稲種子の生産が可能となる。精選から出荷まで養父水稲種子センターでしっかり管理し、但馬地域の優良種子を一層振興していきたい」と話していました。