鳥獣害 集落ぐるみでの対策勧める 但馬広域営農団地運営協議会
JAたじまや行政などでつくる但馬広域営農団地運営協議会は10月18日、養父市で鳥獣害防止対策研修会を開きました。個人での「守り」の対策ではなく、集落ぐるみでの「攻め」の対策とすることに加え、獣害対策を地域主体で行った事例を学びました。
但馬全域から、集落の農会長や区長、農産物の生産部会員ら約150人が参加しました。兵庫県森林動物研究センターの尾畑俊彦森林動物専門員が「兵庫県の現状と獣害対策の基本」をテーマに講演。県内の鳥獣被害の状況を交えながら、被害対策の基本は「寄せつけない環境づくり」であることを伝えました。
特別講演として相生市矢野町小河地区の大前正博さんと兵庫県立大学の山端直人教授が講演を行いました。大前さんは「3年で獣害被害0」と題して、センサーカメラの映像を交えて、自身の集落での対策を紹介しました。イノシシ、シカによる水稲への被害が深刻化しましたが、侵入防止柵の設置や全戸出役による点検管理に加え、情報通信技術(ICT)を活用した集落ぐるみの捕獲の取り組みにより被害を大きく軽減したことを報告しました。
山端教授は「地域主体の獣害対策のポイント」と題して地域主体で獣害対策を行っているモデル集落を紹介しました。地域での正しい防護柵の設置及び管理と、加害個体の集中的な捕獲の重要性を訴えました。
参加者は「自分の地域でも水稲の被害があった。実際の事例を聞くことができ、参考になった。集落ぐるみで対策するには、住民に意識を持ってもらうことが大切だと感じた」と話しました。
当日は鳥獣害対策資材メーカーが電気柵など獣害対策用の資材を展示し、参加者はメーカー社員から熱心に説明を聞きました。