たじまで農業

農薬の適正使用について

農薬の適正使用について

農薬は、使い方を間違うと生物や環境に大きな影響を与えてしまいます。
その安全性は、厳しく審査され、安全性が確保されるよう、作物への残留農薬基準等が設定され、この基準を超えないよう使用方法が定められています。
農薬の安全性は、定められた使用方法を守ることが大切です。

農薬の使用前には、必ず容器のラベルを確かめ、使用方法を誤らないようにしてください。

1.農薬の使用基準の遵守とは

農薬使用基準は、農薬の安全かつ適正な使用を確保するために定められた基準で、農薬使用者は、この基準(使用時期及び方法その他の事項)を守り違反して農薬を使用してはいけません。

(1)農薬使用者の責任

農作物、人畜、農産物及び農地・水産動植物・水質等環境への被害防止につとめなければなりません。

(2)表示事項の遵守

食用農作物及び飼料作物(以下「食用農作物等」という)に農薬を使用しようとする場合は、①適用作物、②使用量又は希釈倍数、③使用時期、④総使用回数を守らなければなりません。

(3)帳簿の記載

農薬使用者は、①使用年月日、②使用場所、③使用農作物名、④使用農薬の種類・名称、⑤使用量又は希釈倍数を帳簿に記載することにつとめなければなりません。

(4) その他

住宅地や周辺圃場・作物等への飛散防止、水田からの流出防止、土壌消毒剤の揮発防止等に努めなければなりません。

2.安全な農産物の生産のために

農薬を安全、適正に使用し、安全な農産物を生産するために次の事項に注意してください。

(1)防除適期に効果のある農薬を選んで使用

  • ア.病害虫の種類や発生状況を把握し防除が必要かどうか判断して使用する。
  • イ.病害虫の発生状況に応じた、効果の高い農薬を選んで使用する。
  • ウ.作物のどの部分に病害虫が発生しているかを知った上で的確に使用する。

(2)農薬使用基準に定められた適切な使用方法による適量使用

  • ア.散布、潅注や浸漬など薬剤ごとに定められた方法で使用する。
  • イ.作物の種類や防除面積を基に必要最小限の薬剤調製をする。
  • ウ.周辺へ飛散しないよう風向きなどに注意し使用する。

(3) 作物、農作物や環境に対する安全だけでなく使用者の安全を確保した使用

  • ア.作業は、マスク、手袋はもちろんのこと、保護メガネや防除衣を着用し実施する。
  • イ.体調を整え、朝夕の比較的涼しい時間を選び、適宜休憩を入れ長時間の作業を避ける。
  • ウ.作業後は、手・顔などを洗い、風呂に入って全身をきれいにし、飲酒は控える。

出典:兵庫県農政環境部農林水産局農業改良課

農薬使用の基本・手順

1.農薬ラベルを必ず確認する

  • 使用する作物名があるか確認
    作物名・適用病害虫(雑草)名
  • 使い方を確認
    希釈倍数・使用量・使用時期・使用回数・使用上の注意
  • 必要な薬量を確認
    水で希釈するものは、薬量と希釈水量を正確に計量して散布液を調整する
作物名適用害虫名希釈倍数
(倍)
10㌃当たり
使用液量
(ℓ)
使用時期本剤の
使用回数
農薬の
総使用回数
使用方法
トマト アブラムシ類 1000~
2000
100~
300
前日 3回以内 3回以内 散布
ミニトマト 3日前 2回以内 2回以内
キャベツ アオムシ
コナガ
ヨトウムシ
1000~
1500
7日前 3回以内 3回以内
非結球
あぶらな科
葉菜類
14日前 2回以内 2回以内
【効果薬害等の注意】 ・定植直後に使用しない。(薬害)
【安全使用上の注意】 ・散布の際は農薬用マスクを着用する。
・魚類に影響を及ぼすおそれがある。使用時は注意。

2.農薬の取扱は慎重かつ正確に

  • マスク、防護眼鏡、手袋を忘れずに
  • 散布時に過不足がないよう必要量を正確に計算する

※正確に計量
※よく混ぜる
※安易な混用はしない

3.散布者の安全確保

作業前の準備

①適切な保護用具の着用

・マスク
・防護眼鏡
・手袋(ゴム製/ビニール製)

作業中の注意

①涼しい時間帯に作業
②長時間の作業はしない
③飲食・喫煙は控える

作業後の注意

①散布作業後は身体をきれいに
 シャワー/入浴等)
②飲酒は控え早めの就寝

4.農薬の飛散(ドリフトに注意)

  • 風向き、風速に注意
    ※風が弱いときに風向きに気をつけて散布
    ※風下に別の作物がある場合は、特に注意
  • 圃場の外側から内側へ向けて散布する
    適切な圧力と風量で散布
  • 必要に応じて遮蔽シート・飛散低減ノズルを使用する
  • 散布計画とコミュニケーションが大切
    ※近接圃場の収穫時期に注意した散布計画
    ※近接圃場の方と十分なコミュニケーションをとり、散布日時等を打ち合わせる

5.散布後の後片付け

  • 散布機の洗浄
    ※他の作物などに影響を与えない場所で行う
    ※ノズルを外し、噴霧器の水圧でタンク内を洗浄
    ※水を入替え、目安として3回以上繰り返す
    ※ノズルの洗浄
    ※計量に使用した容器の洗浄
  • 使用後の農薬処理は適切に
    ※容器内の農薬を残したまま廃棄しない
    ※残った農薬を他の容器に移し替ない
    ※一般ごみと一緒に廃棄しない
  • 事故防止のため可能であれば
    ※容器内の農薬を残したまま廃棄しない
    ※残った農薬を他の容器に移し替ない
    「除草剤」と「殺虫、殺菌剤」に散布器具を分ける

6.防除記録

防除記録を残す

①成分ごとの使用回数や使用時期を正しく確認するため
②使用基準の遵守の証明のため

防除記録の内容

使用年月日
使用場所
使用した農作物
薬の種類や名
使用量(単位面積当たり)と希釈倍数

7.農薬の保管

農薬を安全に保管・管理するポイント

  • ※飲食品とは区別して保管
  • ※盗難・紛失の恐れのない場所で施錠し保管
  • ※必要な量の購入、不要在庫は持たない
  • ※保管農薬を記帳し、毎月1回の自己点検
  • ※医薬用外毒物、医薬用外劇物の表示
  • ※盗難や紛失防止措置
  • ※盗難、紛失の場合は直ちに警察へ届出

農薬の適正使用に関するお問い合わせ
<JAたじま 営農生産部 資材課>
・電話 0796-24-6674 (8:30~17:00)
・FAX 0796-24-6704
・Eメール shizai@ja-tajima.or.jp