農業機器のメンテナンス・トラクタ
毎日の健康管理が必要なのは人間だけではありません。
農業機械は、日頃の心がけ一つで長く元気に働いてくれます。簡単なメンテナンスを行うことで、コンディションは良くなります。
より良い状態で機械をご使用いただくためにも、日頃のメンテナンスをおすすめします。
でも、適正な工具を使い安全確認を忘れずにケガのないように行ってください。
トラクタの点検ポイント
エアクリーナ
ほこりの多いところで作業したときには、エアクリーナの汚れに注意し点検しましょう。
エアクリーナは、吸水された空気に含まれている砂ぼこりを取り除き、シリンダやピストンリングの磨耗を防ぎ、エンジンをいつでも快調にする装置です。
バッテリ
バッテリの上限と下限のラインの間に液があるか点検しましょう。
不足している槽があれば蒸留水を上限のラインまで補給しましょう。液を入れすぎると、充電時にバッテリ液が吹き出し、トラクタの金属部を腐食させるので注意しましょう。
③ラジエータ
(1)冷却水の量
ラジエータにはサブタンク(リザーブタンク)が付いており、ラジエータ内の冷却水が少なくなると、サブタンクから自動的に補給される構造になっています。 冷却水の量はサブタンク内の水量が水量が上限と下限の範囲にあるかを点検します。不足しているときは、サブタンクの給水口から清水を上限ラインまで補給しましょう。
(2)ラジエータスクリーン(防虫網)
ラジエータフィンにわらくずやほこりが付くと、空気の流れが悪くなり、オーバーヒートの原因となります。スクリーンを取り外して清掃しましょう。
ファンベルト
ファンベルトの張りを点検しましょう。点検はベルトの中間を指で押し、ベルトのたわみが規定量(10mm前後のたわみ設定が多い)になっているかどうか。ベルトがのびているときは、ジェネレータ締め付けボルトをゆるめ、ジェネレータを移動させて張りを調整します。ファンベルトの張りがゆるいと、オーバーヒートや充電不足の原因となるので注意が必要です。
前輪タイヤ
タイヤの取り付け状態を点検しましょう。タイヤの空気圧は、取扱説明書に記載されている規定圧力を必ず守りましょう。 空気の入れすぎは、タイヤの破裂のおそれがあり死傷事故を引き起こす原因になります。
エンジンオイル
オイルゲージを抜いて先端をきれいにふき、差し込んでから再び抜き、ゲージの上限と下限の間にオイルがあるかを調べます。
不足しているときは給油口から上限ラインまで補給しましょう。
燃料
燃料タンクは満タンか、メインスイッチをONにして、計器盤の燃料計で点検しましょう。 燃料タンクは、毎日作業終了時に満タンにするようにしましょう。タンクの燃料残量が少ないと温度差によって水滴が発生しやすく、さびの原因なります。
ブレーキペダル
ブレーキの調整が悪いと、人身事故にもつながります。常に作動状態に注意しましょう。ブレーキペダルを踏んで規定の遊び量かどうか、また左右が同時に効くか点検しましょう。 調整はブレーキロッドのターンバックルで行います。規定の遊び量と、その調整要領はトラクタの取扱説明書に記載されています。
後輪タイヤ
前輪タイヤと同じ要領で、空気圧とタイアの取り付け状態を点検しましょう。
ロータリ
耕耘爪の取り付け状態と爪の摩擦程度を確認します。爪の取り付けボルト・ナットのゆるみを点検し、ゆるみがある場合は増締めを行いましょう。このとき、爪の後ろ側とブラケットの間の隙間をなくして締め付けます。また、爪の磨耗状態を点検し、磨耗量が約半分を超えたら交換時期です。爪が磨耗すると反転性・砕土性が悪くなり、十分な性能が発揮されません。効率の良い耕耘作業をするために、爪は早めに交換するようにしましょう。
ロワーリンクのチェックエンの張り状態確認はトラクタの油圧レバーを操作してロータリを地面から少し浮くまで上げ、ロータリを左右に揺すぶって横ぶれしているか点検しましょう。
クラッチペダル
クラッチペダルを踏んで規定の遊び量かどうか点検しましょう。
クラッチディスクが磨耗するとペダルの遊び量が少なくなります。遊びがなくなると、クラッチがすべり動力の伝達ができなくなります。規定の遊び量と違う場合は、クラッチロッドのターンバックルで調整します。
エンジンを始動してからの確認
(1)マフラー排気ガスの色とエンジン音の確認
エンジンを始動したところで、排気ガス、エンジン音に異常がないか確認しましょう。
(2)ヘッドライト、ウインカーの手動
エンジンを運転している状態で、ライト・ウインカーの作動を確認しましょう。
(3)作動機昇降装置の作動確認
作業を上げ・下げするポジションレバーと作業機昇降スイッチの作動を確認しましょう。
(4)ステアリングハンドルの遊び
ハンドルを軽く左右に動かしたときの遊び量が規定の範囲にあるか、確認しましょう。ハンドルに著しいガタや遊びがあると、走行時や作業中に思わぬ事故の原因となります。
その他
オイル、燃料、冷却水の漏れがないかを確認します。油漏れや水漏れがあると、トラクタを止めている場所の床にしみができます。漏れが発生している場合はすぐJA農機センターに修理を依頼しましょう。
(トラクタと作業機のグリスアップ(使用時間50時間毎に実施) ブレーキペダルシャフト、(クラッチペダルシャフト)、ステアリングタイロッド、前車軸センターピン、PTO軸のニユバーサルジョイント等にグリス注入を実施しましょう。グリスアップの時期は忘れやすいので注意しましょう。